Statement

Statement

 私の作品は一方的に発信するものではなく、私と鑑賞者、作品内で登場する人と私、また登場する人と鑑賞者など、さまざまな人物が双方向につながるためのインタラクティヴ的な存在だ。自分が体験したことを作品を通して共有することで、鑑賞者自身の過去に対する想いを呼び覚まし、今に紡ぐ。そんな作品は、今の私にとって居心地の良い場所だと感じさせ「新しい風景」として見つめてくれる存在となる。
 作品を作り始めるまで、私にとって他者とは“他の者” だった。そのときは常に自分の中の領域だけを広げようと制作していた。ただいくらやっていても満足しなくて、何かが足りなかった。
 そんな中、留学に行った。留学は外に矢印を向けなければ生きていけない。
それは人生で初めての経験であり、初めは怖さやストレスもあったが、他者とコミュニケーションすることで生まれる言葉や経験がすごく印象に残った。
 今までは自分の型の中で生き、それが正しいと感じていた。でも、一度殻を破り歩いてみると何かが溢れ出すような気持ちになった。他者が関わることでしか、得られないものが確かにあった。
 これをやりたいんだ。そこから、自分だけでなく他者が作品に介入することを厭わない、むしろ歓迎するものを作っていき、私は他者と作品が呼応する関係を作っていった。